基礎デザイン学科

science of design

ヴィジュアルコミュニケーション

ヴィジュアル・コミュニケーションの実践的な演習ですが、3年次にはよりコンセプチュアルな次元でデザインを展開するステージに移行します。表現したい内容を的確に可視化する力と、人の記憶に印象を刻印するコミュニケーションとはいかなるものであるかを、2つの課題を通して理解していきます。特に後半の課題は、視覚記号の運用によって、アイデンティフィケーションがいかに生成するかについて把握する実践的な演習になります。

1:マトリョーシカ|遷移するグラフィック

人形の中に少し小さな人形が入っている。これが5つの階層をなしていて、大きな人形を外すと小さな人形が現れる。これを「表現の条件」と考え、人形に独創的なヴィジュアルを付与するという課題。表現に一定のルールを設けることで、視覚的な論理と表現方法を生み出していくトレーニングである。

ほぼ相似に近いかたちが、段階的に小さくなるという状況を観察し、そこに自分独自の発想によるグラフィックデザインを展開していく。

2:船|SHIP

船とは何かを根本から捉え直してみる。浮かぶ、とはどういうことか。どこに浮かぶのか。どうやって進むのか。アイデアを精密に練り上げ、名前を考え、それをロゴタイプとしてデザインする。そして構想する船の模型を作り、1/200の人体模型を配置して写真を撮る。さらにグッズやコミュニケーションツールを考案し、あたかも構想した船やそのサービスが、現実に存在するかのようにイメージを展開していく。アイデンティティの力を、構想をヴィジュアライズする過程を通して身につける。