基礎デザイン学科

science of design

第749回デザインギャラリー1953企画展 「懐中時計礼讃 The Shape of Timelessness」
2018.10.08
会期|2018年10月10日(水)–11月5日(月)
会場|松屋銀座7階・デザインギャラリー1953
主催|日本デザインコミッティー
企画|板東孝明
写真|高橋和幸
協力|中島正晴
協賛|パナソニック株式会社
展覧会担当|原研哉

本学科教授である板東孝明が企画・デザインを担当する展示、
「懐中時計礼讃 The Shape of Timelessness」が開催されます。
本学科からも、人物のイラストレーションで助手の髙橋昌子、
グラフィックデザインで非常勤講師の平野昌太郎先生が協力しています。


企画趣旨
アンティーク懐中時計はただひたすら美しい。
手の平にのる「時の結晶」といっても過言ではない。
かつてこんなに精妙で、優雅な絡繰細工が生み出されたことに畏まってしまう。
現行の腕時計にみられない、たおやかな丸み、掌にほどよく沈み込む心地よい重み、
なによりも造形に心血を注いだ時計師たちの、質への礼節、時への敬意が感じられる。
端正な文字盤、書体のエッジ、針、精密に絡み合った歯車、
機械を包みこむケースのシェープ、すべての手作業が時の精度に挑み、
人の手に愛でられることにのみ収斂されている。時計は歴史を刻み、
人類とともに歩んできた。欧州において、大航海時代、激動の市民革命を乗り越え、
やがては産業革命の担い手として、また文化的記憶として人々の生活の中を支えてきた。
展示では、アンティーク懐中時計がもつ魔力ともいえる美とその意味を読み解きながら、
コチコチやカチカチという、かそけき時の鼓動にふれ、
しばし時がたつのを忘れていただける場としたい。
(企画 板東孝明)

展覧会紹介
板東孝明は、高度なデザイン力を備えつつも営利のためのデザインを好まず、
熱血の大学教師として生徒に向き合いながら、
密かにデザインへの思いをたぎらせている雌伏のグラフィックデザイナーである。
氏が懐中時計を愛するのは、自分と同じものをそこに見ているからであろう。
グラフィズムの静かなる爆発をこの展覧会に期待したい。
(展覧会担当 原研哉)

http://designcommittee.jp/2018/09/20181010.html