基礎デザイン学科

science of design

授業展示「朝のかたち/朝のうつわ」
2016.12.01
日時|2016年11月30日(水)–12月5日(月) 10:00-16:30
会場|本学9号館地下小展示室
授業|形態論II
指導|板東 孝明、柴田 文江
主催|基礎デザイン学科2年生
協力|基礎デザイン学科研究室

2年生の必修授業、形態論IIの課題作品展示を上記の通り行います。


朝のかたち

「朝のかたち」というものがあるわけではない。
そもそも朝はかたちではなく、時間というふわっとした概念である。
それを「かたち」にアブダクション(仮説形成)するのが今回の課題である。
朝、ベッドで目覚めて、歯を磨き、洗面所で顔を洗う。
髪をとかして服を着替え、
台所で朝食をつくり(あるいはつくってもらって)、食卓で食べる。
いつもと同じ風景、なにげなく次々と朝の儀式をこなしていく。
ぼんやりとした目覚めから徐々に意識が日常へと移行するひととき、
歯ブラシ、タオル、トーストやバター、パン皿、バター、ミルクパック、
グラス、コーヒーカップ、ワイシャツやソックスなどに無意識に触れていく。
視線に入ってくるもの、触れているものが、
朝の時間をつくっていくと言いかえてもいいかもしれない。
そこでは、たしかに「朝のかたち」が、
朝という概念を生成しているのだろう。


朝のうつわ

両方の手を重ね合わせて水を汲む、それが器の始まりである。
いまでは日常の行動に役立つように創意と工夫を凝らし、
様々なカタチを持っているが、「器」は大切なものを内包するという
概念的なイメージもあり、利便性や機能性だけではない存在だとも思える。
とはいえ、「器」という言葉が特有のカタチを感じさせるのは、
何かを大事に運び、保管することが出来るものとして皆の心にあるからだ。
そうやってプリミティブな道具は、どれもその役割だけではなく
沢山の意味を内包している。「器」というテーマに、
それぞれが見出した朝のモチーフを携えて取り組んでみよう。
現象や、記憶、気配をカタチとして見つけ出すことで、
概念の中にあるものを三次元に具体化すること、
カタチの生まれる瞬間を体験し、
カタチの拠り所を体得することを目的としている。