基礎デザイン学科

science of design

『竹ーかたちの原像としての民具』
武蔵野美術大学共同研究報告書の紹介
2014.06.05
本学美術館民俗資料室には、9万点もの民具が眠っています。そのうち竹の民具は3千点。民俗学を教えていた宮本常一が50年ほど前から、教え子たちとともに日本中を歩き、「高度経済成長のさなか、生活様式の激変にともない、使われなくなり庭先や床下に放置されていたり、納屋や倉庫に押し込まれたままになっている民具」(民俗学者 工藤員功)を収集したものです。

竹の民具は人の身体ととてもよく似ています。丸みをおびて、張りがあり、愛らしく、よく働きます。似ている「かたち」でも、ひとつとして同じものはありません。じっと見つめていると、人が竹の民具をつくったのか、竹が人をしてその「かたち」をつくらせたのか、分からなくなります。アジアの国々でつくられてきた竹の民具が驚くほど似た編み方や「かたち」をしていることも驚きです。

本書は、武蔵野美術大学とインドネシアのバンドン工科大学の教員たちのエッセイをはじめ、現地の先住民族の村への探訪記、作家インタビュー、竹の植生や編み方、民具の種類、民俗資料室の歴史などを収録しました。