「空気のカタチ」を考察する過程で見出した個々のテーマを、「デザインの器」にうつす課題である。ある者は抽象的な造形として、またある者は具体的なプロダクトとして「空気」にカタチを与えた。またそれぞれのカタチにふさわしい素材を用いて、形態に「色」や「テクスチャー」を付加させた。そうやって仕上がった作品はまったくちがった意味や目的、表情を備えているが、全体として「空気のデザイン」という気配を表出している。
「空気」のカタチは見えない。当たり前過ぎてふだんは意識しないカタチづくりにあえて取り組んでみる。そうすると、見えないその実体があたり一面に姿をあらわすことだろう。「空気」を実感させてくれる言葉が無数に存在しているように。張り詰めた空気、重苦しい空気、気まずい空気、厳粛な空気、華やかな空気、和やかな空気、穏やかな空気、済んだ空気、美味しい空気、汚染された空気、空気のような存在、空気を読む・・・。
この課題は「空気のカタチ」を言語化し、造形化することが目的である。